【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第6章 ※恋愛のカタチ
風鈴高校…
どんな所なんだろう。
皆が毎日通う高校…
ドライヤーを止めて髪を整え、期待に胸を膨らませながら眠りについた。
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「こんにちはぁ…」
「おっ、今日も悪いねぇ…十亀君。
今日は風鈴高校に行くんだって?俺がガキの頃は、物凄いワルが行く、どうしようもない高校だったんだ。商店街もしょっ中壊されてさ…
けど今や、すっかり町のヒーローだもんな…」
思い出すように遠くを見つめるお父さん。
「十亀君、ありがとな、色々…
例のことも、もう大丈夫かなって思えてきたんだ…
今週いっぱいで、沙良の送迎、終わりにしてもらっていいよ。ホント、ありがとう。またいつでもラムネ取りに来てよ。」
「……そうですか。」
昨日、父とその話をした。
条君は少し驚きながらも、笑顔でそう言ってくれた。
「毎日来てたから、癖でまた来ちゃうかもしれないなぁ…
お店の手伝いも、また来ていいですか?遠藤さんの腰、心配だし…」
「ははっ、ありがとう。いつでも歓迎するよ。」
「…たまに沙良ちゃんに、うちの店…手伝ってもらってもいいですか?店の前に立ってくれるだけで、多分立ち寄ってくれるお客さん増えるから…
あと、じいちゃんが喜ぶと思う。」
「勿論だ。どんどん連れて行ってくれ。なぁ?沙良。」
『うん…私もおじいさんの役に立てるなら、嬉しい。』
「ありがとう…じゃあ行こうか。」
十亀さんと風鈴高校を目指し、歩き出した。
「沙良ちゃんの送り迎え、今週で最後かぁ…
ふふっ、心の準備してなかったな…」
『昨日父とそういう話になって…今までありがとう。
言葉だけでは伝えきれないくらい、とが…条君には感謝してます。さっき言ってたお店のお手伝いとか…できる事は何でもさせてください。』
どれだけの時間を費やしてくれただろう。
感謝してもしきれない。
「…に…てよ。」
『……?』
「感謝してるならさぁ…
傍にいてよ。」
『条君…?』
「毎日一緒にいたのに、急にもう用無しとか寂しいよ…
送迎しなくなっても俺はお店に来るし、沙良ちゃんにも家に来てもらう。勉強だって、沙良ちゃん寝ちゃってて、俺一回も見てもらってないからね?それに…」
『…条君っ…?あの……』
「…っ……」