第1章 ①ショッピング
私は夢子。
ごくごく平凡な女子高生だ。
ただひとつ平凡でないことがあるとするなら……
私の兄と姉は人造人間だということ。
…………
キーンコーンカーンコーン
先生「よし、では今日はここまで!」
「「「さようならーーー」」」
「よし、今日も学校終わり……!あっという間だったなぁ」
ガラガラッ……
荷物をまとめて立ち上がると、教室のドアが開く音がした。
「!おい、誰だあの超絶美人!!?」
「うわっ……ホントだ上級生かな?」
「見て、隣の人超イケメーン!」
なんだかドア付近がガヤガヤしている。
(ん?なんの騒ぎだ?)
人垣からひょっこりと頭をのぞかせてみた。
18号「あっ、いたよ17号」
17号「?お、夢子そんな所にいたのか。迎えに来てやったぞ」
「!!お兄ちゃん、お姉ちゃんっ!?」
慌ててバッグを持つと人混みをかき分けてふたりに駆け寄る。
「なっ、なんでここに?」
17号「それは……」
「えっ、夢子ちゃんのお兄ちゃん?」
「通りで似てるような……」
「え!私にも見せて〜」
「あわわっ…!と、とりあえず校舎出なきゃ!」
夢子はふたりの背中を押して教室を出た。
学校から出て人目のつかない所まで来るとスーハーと息を整え、ふたりに向き直る。
「そ、それでなんでここにいるの?」
17号「さっき言っただろう?そろそろ学校が終わる頃だと思って迎えに来てやったんだ」
「そ、そうじゃなくてっ……!学校来ちゃダメって言ったじゃん……!」
18号「だって今日は学校が終わったら一緒にショッピング行く約束してただろう?」
「あ……!そっか、すっかり忘れてた」
17号「まったく……お前はすぐこれだからな」
「で、でも学校に来てもしもの事があったら騒ぎになっちゃうからダメだよ!」
18号「まぁいいじゃないか?何も無かったんだし。それより早く出発しようよ……17号、あんた夢子を抱えて飛びな」
17号「そうだな。ほら夢子、こっちに来い」
「う、うん…」
兄にくっついて首に手を回すとひょいと抱き上げられる。
そしてそのまま空に飛び立った。