第2章 出会いⅠ
[十亀条Side]
じいちゃんに言われてのれんをくぐって入ってみるとそこに優しそうなおばあちゃんと強そうなおじいちゃんがいた。
俺を見た瞬間おばあちゃんが話しかけてくれてた。
気を遣ってくれたんだろうなぁ
(優しい)
初めて来たのに落ち着く空間だ
まるで家にでもいるかのようなそんな感覚がある
(って…わぁ……)
じいちゃんに教えてもらった昔のものもある
物珍しく中をキョロキョロと見回していると気づかなかったけどあと一人 女の子がいた
セミロングの髪型に橙色の瞳を携えて
美麗とはこの人のためにあるかのような言葉に思えるほど美しい
(…………え)
なんだろう
一目みただけなのに目が離せない
初めてだこんな感覚
心臓の鼓動がうるさい
バクバクって止まってほしいのにぃ
(………なにぃこれ……)
俺こんな衝動に駆られたことあったけ
いやない 初めての経験だ
(う……うわぁ……)
そこからお姉さんに話しかけられたけど
(え……ええ……)
返事するのに精一杯であわあわしてしまって素っ気ないことばかりしていたような気がしないでもないけど記憶に全然ない
それほど緊張していたみたいだぁ
お風呂に入っていてもお姉さんのことばかりで
いつもだとリラックスしているのに全然落ち着かない
銭湯から上がったあとじいちゃんにも話しかけられたけど何が何だか覚えていない。
ここにいつからいるの
もっと話したい
そんなことばかり頭に浮かんで
俺人と話すのとか苦手なはずなのに理由もわからなかった
お姉さんだと何時間でも話せるような気がするがして
そしてこれが一目惚れだとも知らぬままじいちゃんと一緒に家に帰っていた