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太陽が咲くまで[WINDBREAKER]

第10章 吐露Ⅱ


[十亀条Side]
急に顔を向けて話そうとした時不安そうに俺を見る

(これってぇ…)

ちゃんが話をしてくれるようだった

過去についてのこと
さっきまで顔色が良かったのにだんだん白くなり手が震え始めいてる
よほどしんどいことなのだろう


(……………ちゃん…)


辛いだろう

苦しいだろう


分かっているはずなのに

俺は聞いてみたかった


ちゃんの辛い部分を少しでも軽くしたい
それに過去を話すということはそれだけ信頼してくれてるんだと


(……………よし)


覚悟をもって俺はちゃんに聞きたいと言った
彼女もこくんと頷き少しずつ語り始める


それは想像以上のものだった


俺の覚悟は生半可なものだったと痛感させられるほど
まさかちゃんにそんな事があったなんて思わなかったのだから


壮絶ないじめを受けていて
この前と似たようなことに遭っていること

しかも俺と似たような年にされたという現実に


何かしら事情を抱えてそうだとは薄々感じてはいたが


(……………)

(………………これは)


こんなこと話したがらなくて当然だ
俺なら耐えられなかったかもしれない


ちゃんは何回も何回も我慢して耐えていたんだ
だがそれすらも踏みにじられたようなもので彼女にとって今まで耐え忍んだ分崩れ落ちたということだろう


(……………)


(俺がいたら…………彼女は…)


(救われていたのだろうか)



彼女のことを思うと



(あれぇ………………)


目から雫が流れる
俺は涙を流していた
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