第9章 吐露Ⅰ
条くんと抱きあっていて大分精神的に落ち着いてきた
どれくらいこうしているのかわからないが居心地が良くて条くんの体温が暖かくて溺れてしまっている
落ち着いたのもあるからかこうも思い始めていて
(彼になら……)
(話してみてもいいかもしれない)
なぜだかはわからないけど条くんになら打ち明けていいかもしれないって思っている
こんなに私を案じてくれているのなら理解してくれるんじゃあないのかって
(でも………)
話してみて引かれるかもしれない
軽蔑されるかもしれない
拒否されるかもしれない
色んな不安が付き纏う
根拠はない
けれど彼には知っておいてほしかった
私は恐る恐る口を開く
[ねぇ……条くん]
[ん?どうしたの?]
[ごめん一旦いい…?]
[う…うん……]
私は抱きしめていた手を離し姿勢を整えて条君に向き合う
[どうしたのぉ…?]
私を不安そうに見てくる無理もない
これから話すことは勇気のいることだから
少し震えている手を抑えながら言葉を話す
[え…と………]
[話聞いてほしいの…]
[私の…過去の話…]