第9章 吐露Ⅰ
[十亀条Side]
俺は ちゃんに泣き止んでほしくてまた抱きしめてしまう
俺がそばにいるからぁもう涙を流さないでと
離れないからそういう意味を込めて強く強く抱きしめる
本当に考えなしとはこのことを言うのかもしれない
同意も得ずこんな事を
けれど落ち着かせるにはこれが一番なのかなと勝手に思ったのもある
(でもぉ…………)
(男にこうされるのは嫌だよねぇ)
してみたのはいいものの
そう思い離れようとしたのだが
(ええ……)
まさか背中に手を回してくれるとは思わなかった
これは大丈夫ということでいいんだろうか
安心した
嫌われたのかと思ったから
涙も止まり大分落ち着いてきたように見えるし俺が変に答えたおかげというべきか笑い声も出てきたようだ
(………………ふぅ)
(…よかったぁ…)
ほっとした
いつも俺が見ている明るい彼女だ 間違いない
あのままだとどうなっていたのかと思うとぞっとしてしまうが暗闇に引きづられたまま戻ってこなかったのかもしれない
少しだけかもしれないけど気持ちが晴れてくれたようだ
俺はただ彼女の役に立てていることに心底安心した