• テキストサイズ

太陽が咲くまで[前編]

第9章 吐露Ⅰ



[っ……えっ…………]



突然のことでこんな声しか出ない


(……………)


(どういうことなの………?)


意味がわからずうつむいていた顔を上げてしまった
条くんは私の顔を見て何を思ったのかぽつりぽつりと言葉を出し始める


[え〜と………]



[俺…言葉足らずなところあるからぁ]



[うまく言えないけど]



[俺ちゃんといるだけでも嬉しいんだぁ]




[だから…無理に話さなくても大丈夫だよ]



にこっと微笑みながら話してくれたけど何故そこまでしてくれるのかが理解できない
憶測かもしれないが私のことを落ち着かせるためにここまでしてくれたということだろうか

だとしたら信じられない
彼は私の事情なんて何一つも知らないのにそこまでしてくれるのか

ううん
事情なんてどうでもいい


これだけは理解できる

私のことを心から案じてくれていることに

そうじゃないと説明しようがないほど彼の行動は思いやりで満ち溢れていたから



その言葉を聞いて嬉しくて私は目から一筋の涙が流れていた
/ 497ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp