第9章 吐露Ⅰ
[十亀条Side]
(こんなにいるのかなぁ……)
ガサガサと音を立てながら歩く
袋の中には赤く熟れたりんご
今はその美味しそうな大量のりんごを入った袋を持って歩いていた
何でこうなったのかというと
じいちゃんからお世話になっているお礼として鶴の湯に持って行けと急に渡されたのだ
(え……ええぇ……)
最初意味がわからなくて
どういうことか聞こうとする前に仕事に行ってしまった
いつものことながら早すぎるなぁ去るのが
毎回マイペースだと思ったけど
俺もそういうとこがあるから仕方ないと割り切っているというか割り切るしかない
気を遣ってくれたのかはわからないけどじいちゃんも心配しているのだろう
あんな目に遭ってしまったから余計に
きっかけを作ってくれたのはいいものの
(………全然顔も見れてないなぁ…)
(これで会えるかもわからないのにぃ…)
持っていたところでちゃんに会えるわけではない
それに会ったとして俺に何ができるだろうか
慰めたとしても逆効果な気がしてならないしぃ
そもそも話も聞いてくれるかどうか
色々な事が頭に出てくるも
(…………解決策が何一つ浮かばないなぁ…)
全く答えが見えない
こんな心境のまま会ってもいいのがわからぬま鶴の湯に向った