第6章 不安
[十亀条Side]
あの事件から数週間
ちゃんは銭湯に顔を出さなくなった
あの日の事件から銭湯も数日間休みしていて再開したのだけどいくら来ても姿が見えないから心配でたまらなくて
聞いていいのか悩んだけどじいちゃんに声を掛ける
[じいちゃん……そのぉ…ちゃんは…]
[坊主……あー…そのな…]
じいちゃんはどう説明したらいいのかと悩んだ顔をしながら事件関係で疲れたから休んでると言ってくれた
(そうなのかなぁ…)
根本をはぐらかされてるような気がしてならない
いやあまり聞くと色々困ることがあるだろうしぃ
(それでも…)
何もしないよりはマシだと思い行動に移す
(えーと〜…こう…?)
慣れないスマホを使い電話をしてみたりするけどいっこうに出る気配もない
家にお邪魔しようとも考えたけどちゃんが望んでないようにも思える
(うーん〜……)
(どうしたらいいんだろうねぇ…)
何が正解なのかもよくわからない
余計なことをしてちゃんがおかしくなるようなことになることは俺は望まない
憶測でしかないのだが過去に似たようなことがあってそれがフラッシュバックしたのだろうか
正直言うとちゃんといるようになってから何かというかたまに何かに怯えているような所もあった
でも俺がそういうことだと聞いたわけでもなくて確証はないのだ
(本当に…俺ってぇ…)
(ちゃんのことを……)
NAME1#ちゃんのことを何一つ知らないのだと
そう痛感させられた