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太陽が咲くまで[WINDBREAKER]

第6章 不安


[十亀条Side]
ちゃんが少し落ち着いて涙が止まった後は目まぐるしかった
スマホを使ってすぐ連絡しじいちゃん、ばあちゃんそれに常連の皆までが駆けつけてくれた
俺の方から話を聞いて探すのを手伝ってくれていたようで皆つてを使って色んなところにも掛け合ってくれたようだ

それもそうだ 無理もない
いつまで経っても帰ってこないのだから

簡潔に何が起こったことの説明をすると当然だけど信じられない表情で沈黙が広がる
少し離れた距離でちゃんはばあちゃんが付き添ってくれていて落ち着いているように見えるけども

(目が)

綺麗な橙色がくすんでいる 暗闇に閉じ込められたように
そこから警察が来て事情聴取やらなんやらかんやらで

(目眩がするぅ)

俺もその時の記憶がほとんどなくてぇ
警察の人が色々事細かく聞いてきてそれに話すのも早くて
俺自身何が起きたことか掴めていない節があった

(……)

ちゃんも少し震えていたところがあったけど
たどたどしいがポツポツと答えているようだった
君の代わりに答えたい
でもそういうわけにはいかないだろう全てを知っているのはちゃんなのだから

(大丈夫そう…なのかなぁ…)

分からない 彼女の表情が全くと言っていいほど汲み取れない
本当だったらこんな所も1分1秒もいたくないだろうから
ばあちゃん達が隣にいるし問題ないだろうと勝手に決めつけていた

それが悪かった いけなかったのに
俺は

それにちゃんの顔つきが違う
あんな目に遭ったし当然ではあるんだけど

なんだろう
この危うさは


(生気が感じられない)


言葉にうまく表せないが不安だ
この世から消えるような儚さを感じる


(ちゃんがいなくなるみたいだ)

(いや…気の所為…だよねぇ?)



この時の俺を殴ってやりたい
寄り添っていれば違かったはずなのに


俺の感じていたこの予感は見事に的中することになるのだから
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