第48章 再出発
彼とは何も音沙汰がない
文字通り条くんとはあれっきり会ったこともないし電話も何も無い
けれど
どれだけ時間が経過しても気持ちは変わらず"会おう"と思わなかった
終わったことだと割り切ってたものの否応にも聞こえてしまう
耳に挟むのは
他所のチームにケンカをふっかけたりだの弱いやつはいらないとスカジャンを剥いだりしてとにかく悪評ばかり
副頭取は女性と遊んでいるなんていう噂も聞くけど私にとっては
"どうでもいい"
忽然とその思いが頭に浮かぶだけ
何故と言われても困ってしまう
裏切ったからだろうか
妬ましいのだろうか
そんな事言われて私に何をしろとふざけないでと思っているから?
考えても考えても分からない
嫌になって考えるのは止めてしまった
だからなのか
あんなに好きだった彼の想いは色褪せている
不思議なものだ
自分には彼だけなんて言ってたのは一体何だったのか
けれどもう過ぎたこと
それに私は
[〜!♡]