第48章 再出発
(……ふわぁ…)
(暖かい………)
時間が目まぐるしく進み早くてもう数カ月
季節は春というものになっていた
そう
暖かくてポカポカとしてお昼寝しやすくて私が好きな季節の一つなのだが
桜餅が美味しくて沢山頬張ってしまって去年大いに太ってしまったあの恐怖を思い出してきてしまった
(…………やばいな今年は気をつけないと…)
(はは…)
(あ)
ぼーっとしていると何かを運ぶかのようにフワッと風が揺れ
ひらひらと舞うものが視界に止まりちょうどよく私の手に収まる
淡いピンクの花びら
"桜"だ
風に吹かれ丁度良く降り立ったようだ
まるで何かを思い出せと言わんばかりに
(………………………)
何故だがぽっと思い浮かんでしまう
別れてしまった"彼"のことを
(条…くん)