第46章 戸惑い
[………]
[まぁ…その色々意見の相違やらなんやらあってね…]
[はは…年上もあるかな…]
[まぁ…そういうことなんだ]
(……………)
自分で言ってて虚しくなってきた
馬鹿みたいだな 本当
でも仲直りしたいとも思わないし会いたいとも思えない
むしろこれでよかったんだ
私がいなければ彼は自由なんだ
小言を言う五月蝿い輩がいなければやりたいことをやれて丁子くんを支えられるのだから
"どんなやり方"であれ
[なーんてね……]
[さぁ帰ろ……]
(……駄目だよ)
こんな話をしてもしんみりするだけだ
ただでさえ椿ちゃんに気を遣わせたのにこれ以上は心配をかけてしまう
彼女より少しだけ歩みを早める
じゃないと涙が零れるのを見られてしまいそうだから
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[わっ…!]
[つ、椿ちゃ……]
急に手を引っ張られてしまいには椿ちゃんの胸の中
相変わらず可憐な香り
今の私にとっては心が落ち着く材料のようなものだった
(どうしたの………?)
だんまりとしていて逆に怖い
顔を見るのも憚られるほど雰囲気が普段と違う
(………………)
(何…なんだろう)
何を言うのか待ちぼうけているとそれは予想外のものだった
[…だったら]
[あーしと付き合いなさい]
[]