第5章 ※危機Ⅰ
[十亀条Side]
いや待て
俺はそんなことをしに来たんじゃない
やっと我にかえる
気づいたらちゃんが地面に座り込んでいた
[ ちゃん!]
急いで駆け寄ると凄惨な光景だった
ちゃんがあの男に頬をぶたれたのか赤いし唇が切れていて血が出ている
それに衣服もはだけていて今は手で直したようだけれど
ずだぼろになっている部分がある
必死に抵抗したんだろう
辛かったに違いない
(ちゃん……)
俺がもっと早く駆けつけていれば
こんなことにはならなかったのに
後悔が募る
もう起きたことは仕方ないのはわかってる
だけど
(俺ぇ何も力になれてない…)
自分を責めずにいられないが今はそれどころじゃない
ちゃんの涙が止まるのかそれが頭の中で駆け巡っていた