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太陽が咲くまで[前編]

第41章 ※激情Ⅰ


[十亀条Side]
きっと家の方にいるはずだ
不思議と少しだけ足取りが軽い

家の前に行くと偶然彼女が出るところだった
変わらず綺麗で愛嬌がある女の子
俺の大好きな ちゃん

(あ)

俺の存在に気づくとすぐ駆け寄ってくれて心配してくれた
一目見れば十分なはずなのに立ち去りもせず突っ立って


(……ちゃん)

(………ああ)


駄目だ

戻れなくなる

彼女に触れられた瞬間もう欲が抑えきれなかった
これで"最後"だからと

(ごめん)

せめて俺がいたという証を刻みたくて何度も何度も深く
中に出さなかったとはいえ体は相当な負担をかけてしまった

(……それにたくさん噛みついてちゃったなぁ)

首筋をちらっと見ると痛々しい跡がある
それに胸にも太もも 体全てに

俺の"所有物"だとでも言わんばかり


(…………俺は)

幸せにすると誓ったはずなのに約束を破ってしまった

"丁子とちゃん"

二人を天秤にかけられてしまったらどちらかを優先させなければいけない
これは正解なのか?それもごちゃごちゃで分からない
それに誰が丁子を支える?

"太陽"はみんなから愛されないといけないのに


(……………っ)


だったら


(…………俺じゃない人と幸せになったのほうが)


(…ちゃんのためだ)


何度も問答したけどこの正解しか出ない


胸が苦しい 辛い


せっかく付き合えたのに何をしてるんだろうか俺は
けれど彼女を巻き込めば


(……………っ……)

拳に力が入る
それはできない 今の丁子は何をするか分からない所がある
俺がこんな事をすると分かったらちゃんから嫌われるだろう


(………でも)


俺の大好きな太陽たちのため泥をかぶると決めたのだから



(さようなら)

(ちゃん)



おでこにふっと口づけをする
名残惜しくも俺はベットから出た
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