第36章 ※嫉妬Ⅱ
[…………]
こんなの生まれて初めてでしかも痴態を晒したようなものだ
彼の指が気持ちいいとこばかり触れたからなのか引き抜かれても尚体がビクビクしているし頭がふわふわする
意識もおぼついているなか
[…痛くなかった…?]
条くんが心配そうに体をゆっくり起こしてくれて
いつの間にかタオルやら持ってきてくれて私がボーとしてる間後始末をしてくれたようだ
寒いと思ったのか獅子のスカジャンをバサっと音を立て背中に羽織らせてくれる
[大丈夫…だよ]
[その…痛くないし大丈夫だから]
まさしくそのとおりで全然痛みがなくむしろ
(気持ちよすぎてどうにかなりそう)
だということ
ただそれを条くんにそれを言うのは恥ずかしくて言葉を偽ってしまったけど
[………]
(あ……)
反省しているのか申し訳なさそうな顔つきをしている
きっと思いやりのある彼のことだ
また嫌なことをしたんじゃないかと勘繰っているんだろう
[こら]
[んぅ]
唇を人差し指で塞ぐ
当の本人はぱちくりと目を瞬かせ
[私が…してって言ったんだし…]
[だから謝らないで条くん]
[その……全然嫌じゃなかった…です]
言うつもりなかったのに結局言ってしまった
話した途端体が湯でも沸いたかのような熱さで倒れてしまいそう
けれどそれを言葉にしないと伝わらないと率直に思ったから
まぁ恥ずかしいことこの上ないけど
条くんには理解して欲しいから
私がどう思っているかを
[………はぁ]
[………よかったぁ…]
ぱぁと目を輝かせ安心したのか抱きついてくる
その様子はまるで甘える子どものようだ
[きゃ……もぅ]
何だかんだ言って丁子くんに負けず劣らず条くんも凄く甘えたがりなのだ
(…可愛いなもぅ)
よしよしと頭を撫でてようと手を伸ばそうとした
それが間違いだった
[……じゃあ]
[もっと触れていいってことだよねぇ]