第35章 幸福
[十亀条Side]
(…本当に夢みたいだなぁ)
彼女がちょーじ達と話している姿を見ていてふと思う
正直言うとぉちゃんと付き合うことになったなんて未だに信じられないままでいる
告白して両思いで ちゃんと一緒にいられて
(…幸せすぎてどうにかなってしまいそうってこういう事を言うんだろうねぇ)
(積年の思いが叶うなんて思わなかったから余計なんだろうけどぉ)
これは夢なのかと確認の意味で力いっぱい頬をつねってみたことがある
結果頰が痛くてヒリヒリして仕方なかったとなると現実で間違いはないのだろうと理解ができたけど
(だから…なのかなぁ)
とてつもなく舞い上がっている
こんなにも気持ちが高揚すること自体初めての経験で俺自身も驚いてはいるものの嫌とは一切感じてはいない
むしろこの気持ちが心地いいと感じられるほど幸福感に包まれているのだ
彼女も同様なのか
(ちゃん…可愛いさが更に上がった気がするなぁ)
(というかぁ綺麗になりすぎじゃなぁい…?)
気のせいではないと思う いや思うではない
間違いない
銭湯のじいちゃん、ばあちゃんも付き合うと綺麗になるよぉ〜なんて言っていたけどこの事だったんだなぁとようやく実感が湧く
前よりも瞬く星のように輝きが増して美しさに磨きがかかった印象だ
本人はどういうこと?と首をかしげるけど
またと言って悪いが前よりも更に見向きされることが多くなったしぃ俺が隣にいない時なんかは話しかけられてたりも増えたりしたらしい
そこはちょーじや有馬達が助けてくれたりしてくれるけどぉ
(油断も隙もないねぇ…)
ふぅーとため息が漏れる
群がる虫は片付けないととは分かっているのだが
四六時中彼女と一緒にいられるわけではないから対処できなくてやきもきする
まぁちゃんも色々と気をつけてはいるだろうけどぉ
それでも難しい時がある あるが
(………だからこそ)
何があろうともちゃんを守る
これは何があろうとも守らねばならないことだろうから
たとえ嫌われたとしても