第33章 決意Ⅰ
翌日
[………よし]
スマホを持ち条くんの電話画面を画面に出す
もちろんまだかける準備しているだけ 準備だけだ
(…なんだけどな……)
今日会うとは言ってないのに何故か化粧はバッチリ
服は勝負服ではないのにきっちり決めてる
(……もう条くんの予定だってあるのに)
椿ちゃんに気付かされて自覚したからなのか気持ちが流行っている
これではまるで会いたくてたまらないからすぐにでも行けるようにしてるみたいだ いやというかしている
やっていることが子供みたいに見えてきた
(何やってるのかな本当に…)
(けれど)
私はもう後悔したくない
幻滅されているかもしれないし色々と思われてるかもしれないけど
好きだって彼に伝えたい
緊張しているせいか手が小刻みに震える
無理もない
こんな経験は初めてに近いもの
(………大丈夫…)
[〜ふぅ……]
落ち着かせるため深呼吸をする
大丈夫って信じなきゃ
あんなに椿ちゃんに励まされたんだし
昨日梶さんも何故かは分からないけど無理するなって労ってくれて
今思うと目元が赤かったから泣いたってバレてたのかもしれない
それにおじいちゃん、おばあちゃんも心配してくれて
(みんな優しいな)
思わず笑みが溢れる
お陰様で緊張が少しほぐれてきたようだ手元の震えも丁度収まってくれて
電話するなら今だ 勢いよくボタンを押す
プルプルと繋がる音
着拒にはしてなかったようだ少しホッとする
だが呼び出しが長い
(………これ…)
(かけたけど出るかな……)
そう思った矢先の事だった
[も、もしもしぃ…]
[ちゃん………!?]