第28章 番外編② 御礼
[か、梶さん………!]
撫でられるとは思わずドキッとするしかも撫でるのを止めない
(な、なんで???)
私のこと幼稚園児だと思っているんだろうか
くしゃくしゃとまではいかないが拒否されないように丁寧に撫でているように思える
壊さないように必死に守ろうとしているようにゆっくりとゆっくりと
(え……………っ………)
今度は満足したかと思えば頭を撫でていた手が頬をスルリと撫でる
ついくすぐったくて
[………んぅ…]
(あ)
変な声もとい気持ち悪い声がでてしまったこんなん引かれちゃうよね絶対
やってしまったと冷や汗をかいていたらどうやら彼はそれで気づいてしまったらしく
[………っ!わ、悪ぃ……]
勢いよく顔から手が離れる一瞬見えなかった速すぎる
それにまたもや顔が全身真っ赤になっているそれは私もなのでお愛顧だが
[い…いえ……!私こそ変な声出しちゃったので…!]
[…俺こそ………]
気まずくなりお互い目を合わせ辛くなる
引かれてはいないようには見えるけどこれはどうしたものか
頭を悩ませていると
[……………俺がやったんだから気にすんな]
[悪かった…からその…]
口をすぼめながらゴニョゴニョと言い始める
この様子だと私と同じ思いだったのかもしれない
よかったと同時に
[ぷ………ふふふ………]
我慢していたけど可愛らしくて笑いがこらえきれず思わず漏れてしまう
丁子くんのようにもう一人弟ができたみたいで愛らしくてたまらない
[………お前な……]
[ご…ごめんなさい……ふ……うふふ……]
笑いがこらえきれない駄目だ不意打ちのようなものを食らってしまい収まりそうにない
そんな私の笑い顔に安心したのか
[……………ったく]
和やかな空気が広まるそして彼は
[…………お前はやっぱり笑っていたほうがいい]