第27章 一歩Ⅰ
[…………………話?]
なんだろう突然
覚悟でも決めたような顔をして何か重要な話なのだろうか
何を言われるのかヒヤヒヤしていると
[………ちゃんって………]
[そのぉ誰かぁ付き合っている人とかいるのぉ……?]
(ほ…………え…………)
付き合っているってあの男女の交際のことでいいのだろうかそれ以外に何かあったけ
(え…………?え……………?)
どうしよう今一番混乱している
話ってそういう事だったの動揺が隠せず
[そ、そのぉ………付き合っているって…誰と…?]
オウム返しのように聞いてしまう
もし間違ったことを言ったら申し訳なかったし私の聞き間違いでないか不安だったから
[え…………と…そのぉ……]
[ちゃん彼氏いないのぉ………って事なんだけどぉ…………]
(…………………本当だった……)
間違いではなかったようだ
というか生まれてこの方付き合った事なんてないのにいやそれは先ず置いていて質問されたのだ答えなきゃならない
どうしてそれを聞くのか理解できないが
[い、いないけど…………]
[本当ぉ……!]
答えた瞬間目の輝きが今までと違う
宝石のように煌めいている条くんの瞳例えるならエメラルドのようそれがより一層輝きを増したよう
その瞳に自分が奪われそうだ
(…………って……え………)
いつの間にか近づいて向き合うように手を握られている
というか近い近い
[本当だよねぇ………?]
嘘ではないと確かめたいのかじぃと見つめる
彼に対してそんな風にしたことはないけどこのことがそんなに重要なのかなでも怖いなんか雰囲気が
[ほ…本当だけど…………]
[………………………そっかぁ………]
[……え………………ぁ…………]