第26章 緊張
[え………え………]
[ちょ〜…ちょ〜じぃ……ちょっと…]
あまりにも力強くて抵抗できない
こんな重そうな私がズリズリと押されていてなんというか凄いという言葉しか出ないのだが
でも条くんは抵抗できそうな気がするけどまぁそんなこと気にしている場合じゃないんだけども
[それじゃあ!亀ちゃん〜!よろしくね!]
私達をオリの入口まで押したあとぶんぶんと手を振って見送っているあとは任せたって感じだ
もしかしてめんどくさかったのかな案内
[…………〜もぅ…………]
[…………………………]
条くんは一言呟いた後何を思っているのかボヤッとしていて少し時間が置いた後
[……ちゃん…まぁ行ってみようかぁ〜…]
[うん…そうだね……]
***************
[歩いてばっかでごめんねぇ〜…ここで一応最後になるからぁ]
[ううん〜大丈夫だよ…!いい運動になるし…!]
階段の音が奇妙に響く
古いからだろう登るたびカツンカツンと心地いい
最初はオリの中
元が映画館だっただけあってとても広くて驚いた
そういえばおじいちゃん達見に来たことあるとか行っていたような 後で聞いてみよう
他にも紹介されたけど印象的に残っていたのはとあるオリの一室だドアが開いていたのでちらっと見てみると獅子頭連のスカジャンが山積みになっていてそれに関しては口が開いて驚くしかなかった
条くんは隠すつもりではいたようだけど見つかったらアワアワしていてそこが可愛くて不思議と笑みがこぼれていたけど
最後にどうしても見せたいと彼がお気に入りだと言う屋上に行っている
素敵な場所なんだろう胸を弾ませながら一歩一歩進む
冷たい隙間風が吹き抜けてきたそろそろ着くようだ
[〜〜でぇここがお気に入りなんだぁ]