第26章 緊張
[まずは〜]
そう言い手を相手の方に向けながら
[左から鹿沼稔]
[…………有馬ぁ紹介されちゃったよ…]
[はいはい…落ち着けよ……]
そういえば丁子くんが沼ちゃん沼ちゃんって言ってたけどこの人のことだったのか
私と同じ身長でボブカットの子 覚えなければ
[え…あ…よ、よろしくお願いします……]
[…………………ども]
顔をふいっと逸らされて返事される
(まぁ……うん………)
私だって中々目を合わせられないししょうがない
けれど人見知りな所は似ているような気がするから親近感が湧いてしまう徐々に慣れていくしかないのだろうけど
(前向きに…前向きに…!)
[…次はぁ鹿沼の隣にいるのが有馬雪成]
[ど〜もさんって読んでも…ひっ…]
[え?]
どうしたんだろ急に怖いものでも見てる顔をして
後ろには条くんがいるだけのはずなのに
[すんません…鶴川さんと呼ばせてください…]
[え…は、はい……?]
(ま、まぁ…いいか…)
有馬さんも親しみやすそうな人だ
時間があれば少しずつだけど打ち解けられそうだな
[で〜佐狐浩太ぁ最近入ってきた子だよぉ]
[………………………]
[さこっちゃん〜何かいいなよぉ〜]
[……………………]
(…………………えっと………)
これまた二人とちがって対照的だ顔が赤いけど熱でもあるのかな私が来た時も何も言葉を発さなかったけど
[よ、よろしくお願いしますね……]
[……………………はぃ]
鹿沼さんの時と似たような感じの返事だけれどまずは応えてくれただけでもありがたい
無視とかされると流石に堪えたけど
とりあえず優しそうな人達だと分かっただけでもホッとしていた
[〜でごめんねぇ〜…これから他も紹介するからぁ]