第25章 オリへ
(え…………………)
[[えっ…………………]]
心の声と同じことを言ってしまう
条くんも似たような気持ちだったのか自然と声が合わせる
(ど、どういうことなの……?)
突然の発言に驚きを隠せずにいると
[あ……じ…条くん…!コップ…!]
[ちょ……あ、危なぁ…]
[ごめんねぇ〜…]
彼も動揺したのか手に持っていたコップを落としそうになり間一髪落とさずに済んだようだ
(よ…よかった……)
安堵したものの何が何だか理解できない
無理もないあんな話をすれば誰だって
どういう意図で発言したかもわからなくて二人で呆然としていると
[え〜!俺そんなおかしなこと言ったかなぁ?]
自分が変なことでも言ったのかなと不思議そうな顔で私達を見てくる
無垢なんだろう純粋な目で見つめてくるものだから
[あの………それは………]
[ちょーじぃ…それは驚くかなぁ]
私達もどう答えたらいいか分からずそう答えざるを得なかった
だってこんな話条くんにとっては迷惑な話でしかないだろうから
けれどそんな事を言うのは憚れる
彼は優しいからそんなことないって否定してくれるもの
(……………ってあれ)
チクチクする
またか最近収まったものとばかり思っていて油断していた
こういう話を持ち出されると胸が苦しくて仕方がなくなる
この気持ちをいい加減言語化しないと辛い
でもきっとわからない
いや
知っているんだこの気持ちを
逃げていただけでとっくに
(もしかして……………)
答えが見えようとしたその矢先
[だってだって〜]
丁子くんが駄々をこねるようなことを言い始めハッとする
もう少しで答えが見えそうだったけどボヤケてしまった
すると
[俺がお姉ちゃんに抱きつくと…]
[亀ちゃん嫌な顔しかしないんだもん!]