第25章 オリへ
[ちゃん〜!今日もありがとねぇ…!]
[あ、はーい!ありがとうございましたぁ!]
[ちゃんー!ここにお金置いとくねー!]
[はーい!ありがとうございます…!]
条くんと和解して何週間か経っただろうか
なんとなく秋の気配もし始め冷たい風が頬をよぎる
寒くなり始めたのもあり鶴の湯は大盛況になってきたのだ
そのおかげかお店はそこそこ忙しくバタバタと動き回る日々を過ごしていて
(い、忙しいな……今日は…)
そろそろ落ち着いてきそうな時間帯ではあるのだが今日に限っては収まる気配がない
まぁ繁盛するのはいいことなのだが
(………っと)
脱衣所のタオルもたくさんだ
洗濯機まで持ってて洗わないとやることが多いなのだが
(お、重……………)
入れすぎてしまった 我ながらドジすぎる
みんな手一杯なのに助けも呼べる状況じゃない
(仕方ない…カゴ持ってこよう…)
取りに行こうとしたその瞬間
[ちゃん〜これ持てばいいのぉ?]
目の前でひょいと持ち上がる
[あ]
[じ、条くん………!?]
急に目の前で現れたものだから驚いてしまうけど
[あ〜!お姉ちゃんだ!やっほぉ〜!]
[ちょ…丁子くん……!]
どうやら丁子くんも一緒にいたようだ
最近条くんと一緒にいることが多いのかよく鶴の湯にも来てくれるようになってお得意様になりつつある
[びっくりしちゃった…]
[ごめんねぇ〜ちゃん]
[忙しそうだね〜俺さえよければ手伝うよぉ]
[俺も俺も!亀ちゃんなにすればいいの!?]
二人共意気揚々としている
まずいこの流れは
[う〜んとねぇ〜ちょーじはぁ〜]
[そんな悪いよ…!って……]
私がいいよと断ろうとすると二人は手伝い始めてしまう
こうなってしまった以上は止められない
申し訳ないけど手伝ってもらうしかないと思いお願いするしかなくなってしまったのだ