第24章 番外編➀ 困惑
[椿ちゃんSide]
大声まで上げて否定したのだ
にとって悲しませるような男じゃないのか
そんな腑抜けな男ならあーしがもらう
真剣な気持ちで問いかけていた
彼女を悲しい気持ちにさせるような男なら問答無用だと
あーしだったらそんな顔させない
は恐ろしかっただろう
自分でも少し気が張っているのがわかる
でも聞かなきゃわからないし伝わらない
は真摯に向き合ってくれて辿々しいけどしっかり答えをくれたのだ
うん そうだよと
(ああ)
彼女の答えを聞いて腑に落ちた
自分のことばかり考えていての話を全然聞こうともしてなくてあーし余計なことをしちゃったみたい
(馬鹿だわ本当)
己の不甲斐なさに呆れてしまい腹が立って思いっきり頬を殴る
口の中が切れて血が出るし痛かったけどこれはけじめ
彼女は当然驚いてオロオロとしていたけど頬に赤みが出ているのに気づいてくれてハンカチを当ててくれる
(優しい……わ…)
本当だったら怒って帰ってもおかしくないのにあーしはこの優しさにいつも救われてきた
に甘えてばかりもいけないと思いすぐさま謝る
そうでもしないと自分の腹の虫がおさまらなかったからだ
当然だ こんなことをにしてしまったのだから
心臓が痛くて仕方ない
になんて言われるのだろうか
私は戦々恐々としながら頭を下げているしかなかった