第23章 誤解
[十亀条Side]
[お…おじいちゃん…!]
[じ…じいちゃん…!]
二人して驚くしかなかった
じいちゃんがいるなんて思いもしなかったから
案の定ちゃんに告白するものだと勘付かれたのだろうか烈火のごとく怒っていて無理もないのだが
約束してしまったのだ
ちゃんに触れるのは付き合ってからにしろと
と言っても交際も認めるつもりはないようだったが
だが諦めてほしいようだけどそれはできない
ちゃんが意識してくれているのだ
言い方は悪いけど逃す手はない
俺を男として見てくれているということなのだからぁ
(と言ってもぉちゃんに嫌われたら元も子もないしぃ…)
浮かれていたのに気づかれたのか
(…?…うわぁ…!)
突然胸ぐらを掴まれて身動きもできない
約束を破る寸前だったから余計腹が立っているようで力が凄まじい
まるで鬼のようだ恐ろしい
ちゃんもどうしたらいいのかオロオロしてじいちゃんも約束のことをついてきて痛い
(じいちゃんこわぁい…どーしよぉ)
そう思っていると
救いが現れて九死に一生を得るとはこの事だと痛感した
さすがばあちゃんというべきだ
そこからはトントン拍子に収まってくれる
あのじいちゃんがしおしおになって昆布のようだ
ここはばあちゃんに任せよう
解放されてこそっと戻ってくるとちゃんと顔が合わさる
ちゃんの笑顔が眩しいしいつものように話しかけてくれる
(ああ…よかったぁ…)
(いつもの日常に戻れて嬉しい)
これを見れただけでも充分な収穫だ
だって俺は好きな人の幸せな顔を見ることが一番嬉しいから
(それにぃ…)
チャンスはあるようだから告白はまた機会があればしよう
期待を寄せつつまずはこの状況に戻ったことに素直に喜びたかった