第22章 出会いⅢ
私の胸に抱きついてスリスリしてくる
小さいからか頭がちょうど胸に当たるけど少しくすぐったく感じる
[んぅ……]
[えへへ♪お姉さん]
(何がなんだか…甘えてるんだろうけど…)
(条くんと違って勝手がわからない…)
甘えるのはしょうがないけどこれはいかんせんまずいような気がして
初対面で抱きしめられるなんて思わなかったから受け止めてしまったけど
でもこの状況をどうすればそう考えあぐねていたら
[ちょーじ!]
[んえ〜離されちゃったぁ]
条くんが見兼ねたのかぐいっと引っペ返してくれた
(はぁ…よかった…)
誰かいなければずっとこのまま慌てふためいたことは間違いないだろう
助かった
ほっと息をつくと
[ちょーじ…やり過ぎだって]
[んぅごめん亀ちゃん]
条くんも少し怒っているのか厳しい顔つきで諭していて兎耳山さんも反省している様子だった
言われたからかしょんぼりとした顔つきに変わっていた
(な、なんだか可哀想なことしたのかな…)
私もすぐやめてとか大丈夫だとか気の利くことを言えてればこんなことにならなかったのかもしれない
罪悪感が芽生えてしまう
せっかく仲良くしようとしてくれたのに申し訳なくて
空気を変えようと言葉を発した