第21章 必死
真剣な眼差しで俺を見ながら
人と関わるのが怖いのは理解できる
でも条くんなら大丈夫
だからこれからも助けてほしいし周りを頼ってほしいと
( ……ちゃん……)
嬉しかった
頼ってほしいと言われるなんて思わなかったきっと彼女なりの励ましなんだろうけど
そんなことを言われてしまえば自然と心がほぐれてしまう
気づいたらまた抱きついてしまった
さっきこんな事しないって誓ったはずなのに
ちゃんが嫌がっている様子もない
俺に身を任せているように見える
決意がゆるくて呆れてしまう
けどこの思いを伝えるには手っ取り早いように思えたのだ
今日だけは許してほしい
(本当だめだなぁ……)
( ちゃんに甘えてばかりでぇ)
彼女は本当に欲しい言葉ばかりくれる
まるで見透かしているかのように
敵わない
好きな人に少しでも胸を張れるようになりたい
俺も少し勇気を出そう
そう思いぎこちないけど行くことを伝えてみたのだ