第21章 必死
[十亀条Side]
話を聞いていると
怪我をした所助けてもらっただけで何もされてないこと
転んだのも自分で責めないでほしいと
本当だからねと強めの眼差しで言ってはくれている
(それはわかったんだけどぉ…)
早合点してあんなことをするなんて本当に節操がないというか
自分の行いに恥じるばかりで
(俺ぇ……)
自分があまりにも嫌になる
好きな女の子を前にするとこんなにも自制が効かず襲ってしまうなんて
(本当に……さぁ…)
呆れるの一言に尽きる
顔を覆いたくなってきた
そんは悲槍な面持ちをしていたからかちゃんが喝を入れてくる
鬼気迫る表情だ
あまりにそんな顔をしているとさっきのことは不問にできないと
(え…えぇ………)
急に言われてうんと言ってしまったが
何より迫力があってこんなちゃんを見るのは初めてだった
優しいちゃんだから多分この様子だと無理してるのかもしれないけど
(でも…これ以上このことで長引いても)
(よくないよねぇ…)
本人からもそう言われているし不問にはしてくれるようだ
けど今後は衝動に任せてこんなことをしないようにしないと
心に誓うしかなかった