第20章 ※嫉妬
[ ちゃん……]
そう呟いた後
[う……わ…!]
また抱きしめられていた
今日は本当そういう事をされることが多い
けれどそんなことを考えているより
[………………]
(どうしよ…これ…)
甘えているのか猫のようにスリスリとしてくる
肩が少し重いけど可愛いから許してしまっていた
数分後満足したのか顔を上げて
[ありがとぉ]
[とりあえず行ってみるよぉ]
[え…!ほんと…!]
さっきよりも大分顔が晴れやかだ
重荷になっていないか不安だったけれど行ってみる気になってくれただけでもよかったと安堵していた
[約束したのもあるしぃ]
[まぁどうなるかはわからないけどねぇ]
[ふふ…大丈夫…]
[その時は慰めてあげるから]
条くんの頭を撫でながらそう呟くと
[本当ぅ?]
[う、うん…]
(ち、ちか…い……)
急に顔に近寄って言うものだからビクッとしてしまったけど気づいたら条くんが小指を差し出していた
[じゃあ約束ねぇ]
指切りげんまんなんて子供の時以来だ
まさかとは思わなかったけどせっかくだし
[うん約束ね]
どうなるかはわからないけど条くんにとってその人達といい御縁がありますようにそんな願いを込めながら小指を絡めていた