第20章 ※嫉妬
条くんが何をしたのかが理解できたのかハッと我に返った途端とんでもない速さで離れた
まるで危機を感じた猫のように
あんなに近づいていたのが嘘みたい
[ごめん……ちゃん]
正座をして私の顔を見ず謝る
さっきよりもしょげているのがひしひしと伝わっていた
(う…うん〜…これは…)
止めないほうよかったのかいやそれはない
きっと流されていたらまずかっただろうし
キスをした理由が謎のままなのだけれど
とにかくしっかり言わないと伝わらない
条くんに近づき頬を両手で触り私に向けさせる
[…ひゃ…ん?]
突然触られたから目が瞬いている
それにしても触り心地が良くてずっとしていたいけどそんなことはさておき一息おいて口を開く
[あのね条くん]
[その…気持ちはわかるの]
[でもね男の人には何もされていないし助けてくれただけなの…]
[怪我も自分のせいだしだから…]
[責めないでほしいかな…]
ありったけの思いを言ったつもり
彼がどう思うかだけど条くんのせいじゃないそれだけは伝えたくて
私は一生懸命だった