第17章 出会いⅡ
[はぁぁ…]
思わずため息が出てしまう
階段のところまでなんとか歩いて来たところまではいいものの少し出血が出ていて痛い
とりあえず巾着にハンカチを持ってきていたので巻き終わったところだった
下駄はボロボロ 足は傷を負うし
(なんだか散々…だなぁ…)
あんなに楽しかったはずなのに
急に崖から落とされたような気分だ
浮かれすぎた罰なんだろうか
自分に嫌気がさしていた
結局条くんは戻ってこなさそう
あの小さい子は条くんをとても気に入ったようだったし
(悪いことをするような感じではなさそうだけれど…)
それでも気が気でなかった
でもこの怪我じゃ追いかけるにも難しいだろうし
なにより浴衣で走るには向いていない格好だった
(電話…するしかないよね)
どうなってるかだけでも確認したい
また私はスマホを取り出そうとすると
[おい大丈夫か]
背中から話しかけられたのか声がしていた