第16章 危機Ⅱ
[十亀条Side]
どうやら本気で連れて行くようだ
手を振り解こうとしたけどびくともしない
俺より小さい体格なのに意外と力が強いようだ
冗談じゃない
なんで連れて行かれなきゃいけないのかわからなくて自分も頭の中が混乱していたんだと思う
半端な言葉しか出ない
落ち着かなかったのだろうか
ちょうどいいタイミングというべきかちゃんが待ってと言ってくれた
本当はどうしたらいいか一番わからないはずなのに
こんな時に不謹慎なんだろうけど俺のことを案じてくれていて嬉しかった
でも俺をチームに連れていきたい気持ちが強いのかちゃんに断りを入れた後突然走り始めた
(えぇ?)
まさかそこまでするとは思わなくて
為されるがままになっていた
なにやらちゃんから話されたような気がするけど
ちゃんの姿が見えなくなるほど
遠い距離まで走ってしまっていた