第15章 吐露Ⅳ
[十亀条Side]
その唇にはずっとは浸れなかった
ちゃんが謝って立ち去ってしまったからだ
俺もこの状況をどうしたらよいかあぐねていたけど
彼女も居た堪れなかったんだろう
呼び止めたけど止まる気配もなくてポツンと取り残されってしまった
すぐ謝ればよかったはずなのに
それに追いかけていいんだろうかわからなくなっていた
事故とはいえあんな事をしてしまっていつも通りに振る舞えるかも不安だったし
なにより彼女に拒否されるんじゃあないのか
また俺はそういう事ばかり考えるのが得意になってきているみたいだ
でもちゃんに対しては後悔したくない
好きだから
だとしたら
何ボーっとしてるんだろう
追いかけないと
やっと体が動いてちゃんの後を追いかけ始めた