第13章 吐露Ⅲ
[椿Side]
間近で彼女の顔を見るなんて初めてだった
綺麗な瞳 白くて透明な肌
血色のいい唇
全て私のものにしたいと思ってしまっていた
今思うと私に本当に何をしていたのか
彼女が嫌がらなかったからいいものの
私は彼女に声をかけられて自分の行為にやっと気づくことができた
も驚いていた顔をしていて
それにこんなに近い距離で顔を見られたら誰だってそうなるのはおかしくない
軽率な行動だった
彼女は気にしてないようだったけれど
そこからは切り替えてあんなふうに伝えてしまったけれど
教えてねなんて馬鹿なこと言って
本当は私と行って欲しかった
こんなことを思うんだもの
やっぱり
あーしのことが好きなんだわ
気づいたのはいいものの彼女の幸せを奪うようなまねはしたくなくてどうしたらいいのか逆にわからなくなってしまって
虚しいヒールの音を聞きながら鶴の湯から離れていった