第2章 交際宣言致します
「あー優吾じゃーん」
「何何今日仕事じゃなかったのー?」
…………綺麗な、女の人たち。
3人くらいが優吾を見つけて取り囲む。
「ばっか仕事中だっての。おまえら休みかよ」
「なわけないじゃん。これから同伴だってば」
「デート邪魔してごめんねーまたねー」
仕事。
そっかあの人たち。
「あ、あの…………っ」
「はい?」
「あ、あの、いつもお仕事ご苦労さまですっ。あの、これからもその、よろしくお願いします…………っ」
「ちょ、お嬢!!」
行こうとする彼女たちに声を掛けて頭を下げれば。
慌てて優吾が隣へとすっ飛んで来た。
「待ってお嬢?」
「ほんとに仕事?」
「え、嘘もしかして」
一瞬にして彼女たちから笑顔が消えて。
慌ててて弁解。
「ちが、くてその、ありがとう、って、伝えたくて。」
あーでもしまった。
やっぱり声描けなきゃ良かった。
「こちらこそ、ありがとうございます」
「え」
「いつも組の方々にはあたしたちみたいな下っ端にまで、良くしてもらってます」
「あ…………」
「んじゃ、優吾また店来てねー!!」
「だから声でけーって。…………お嬢すみませんほんと。あとでちゃんと言っときますんで」
「大丈夫」
「え」
「あの人たちなんにも悪いことしてないよ。…………ねぇ優吾」
「なんでしょう」
「加賀谷…………とか、も、お店よくいくの?」
「加賀谷さん?」
あ。
「三園とかその、お店行ってもやっぱりモテるのかな」
「あー、まぁそースね。加賀谷さんも玲さんもいろんな嬢食い放題って感じですかね」
「は?」
「幹部で次期頭候補とくりゃ、ほっとかないんじゃないスか」