All is Dream Box【春パワー全開】*短編集
第12章 mumu/募る寂しさ
「どこまで行くんですかー?」
「着いてからのお楽しみ」
「……変な所に連れていったら怒りますよ!」
「なっ!? お前、俺の事。そんな奴だと思ってたのか!?」
「一応、言っておいた方がいいかなと……」
「信用ねぇな……」
赤の点滅を繰り返す信号機をいくつも越え、辿り着いたのは小高い丘。バイクを停車させ、三井先輩の後に続いて歩いていく。
「……どうだ、綺麗だろ?」
目の前には、眩しいほど光輝く街の景色があった。
「……綺麗……」
アメリカは、もっと明るいんだろうな……。私の目に映るこの景色、あなたにも見せてあげたい。……あなたも、そんな風に思う事があるのかな?