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【R18】カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く【禪院直哉】

第7章 先斗町のお茶屋



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この辺りの…エリアは…
先斗町と呼ばれている場所で。

先斗町と書いて、ぽんとちょうと読む。

先斗町は京都市の中京区の、
鴨川と木屋町通りの間にある
『京都五花街』の1つで。

お茶屋や、料亭、
レストランやバーがあり。
川床料理…を楽しめる
納涼床を持っているお店も多くある。

今は…舞妓さんや芸妓さんを
呼んでお座敷遊びをする
場所を提供するのが…お茶屋さんだけど。

料亭との違いは…、自分の
お店で料理を作って
提供するかしないのか…の違いだ。

茶屋…は…舞妓や芸妓の
スケジュール管理や、料理や
お座敷の手配…や…案内所の様な
そんな役割をしている物で。
基本的に一見さんはお断りだ。

京都では…料亭に
舞妓や…芸妓を呼ぶ時にも
この茶屋を通す…と言うルールが
今現在も…残っている。

と言う…この…先斗町での
お茶屋さんと言うのが
どんな物なのかは…、
文字通りにお茶を飲みながら…
直哉が説明をしてくれたのだが。

ニヤニヤと…こっちを見ながら
直哉が含みのある笑みを浮かべていて。

「聞きません…ので…」

『なんや…、聞いてくれへんの?
俺が…いっつも…この部屋で
ナニしてんのか…って聞かんでええん?』

「聞きません…と…、
私は先ほど…言いましたが?」

『自分…嘘も…下手過ぎんで…?
気になるって、顔に書いたぁる』

「なりません」

『嘘やん』

「なりません…」

『ホンマに?気にならんの?』

「……………」

『ちゃん?』

返事を返さない私の顔を

直哉が覗き込んで来て。

煽られているこの感情は嫉妬だ…。

この部屋の…あの布団の上で

彼に…触れたであろう…女性に

触れられたであろう…

女性達に対する嫉妬。


私は…今…どんな顔をしてるんだろうか?

自分の顔なのに…今、自分が

どんな顔をしてるのか…も…、分からない。

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