【R18】カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く【禪院直哉】
第11章 嵐山
私達は…後部座席だし、
前からは見えるけど
座席が邪魔になって
目隠しの役割を果たしていて。
直哉の紬の前を開いて
その下から…直哉のモノを出すと。
愛おしむようにして陰茎にキスをする。
『そろそろ…、これ…
自分ん中に…挿れて欲しい
思うようになって来たんちゃう?』
直哉様は…口での奉仕とか
手での奉仕とか…、
前に教えて貰った素股…での
奉仕…は…要求して来るけど…。
性交…その物は要求して来ない…。
ビクッと…その言葉に
の肩が跳ねた。
『ええんやで…俺に遠慮せんだかて。
俺に好かれよう思て、
なんて答えたらええんやろって
そない思ってんねやろ?どうせ…』
「………ッ…」
すぐに即答して返事を
自分は返す事が出来なかった。
自分でも自分の意思が…見えないからだ。
直哉に対するこの感情が、
余りにも曖昧な感情だからだ。
望まれてしまえば応じるしか
私には選択肢はない、
だから…そうしろと命じるんじゃなくて
どうなのかと、質問をしたのだ。
探られてる…。
自分の全身の毛穴が一瞬で
逆立つ感じとゾクゾクと
背筋が…寒いと…感じる程に
凍り付く様な…感覚に…
指先が…小さく震える。
私からの好意…なんて…
欲しいと望まれている物ですら
無いのかも知れないと思うと…。
自分のその感情が無用の物になる。
フッ…と直哉が口の端を曲げると。
その目を伏せる。
『……まぁ…、その顔
見とったら、分かるこっちゃ。
まだまだや…な…、自分には
そんなんまだ早いねんから
出来へんこと無理してせんでええねんで?』
よしよしと直哉の手が
の頭を撫でて来て。
私の頭を撫でるこの手の感触は
嫌いじゃないしt…、むしろ好きで
心地いい…とさえ思ってしまうし。
もっと…して欲しいと思ってる。
『なんも…慌てることなんて
あらへんねんし、時間なんて
アホほどあるんやしなぁ……せやろ?』