【R18】カゴノトリは貴方の腕の中で鳴く【禪院直哉】
第9章 京都水族館
入口で貰ったパンフレットに
ショーのスケジュールが書かれていて。
後15分程でショーが始まる様だったので、
ちょうどカフェスタンドも
スタジアムの所にあったので
直哉がそのカフェスタンドを指差すと。
『あっこでなんか買うて、
イルカショーでも観ようや』
カフェスタンドの前まで来ると
何がいいかと聞かれたので。
「あ、あの…あれ…が…いいです…」
と…カフェの前のポップに
掲げてあるオススメの
あるメニューが飲みたいと…
が直哉にダメ元で
おねだりをして…みたのだが。
『あんなもんがええんかいな、
まぁええわ、あれ買うたるわ』
「良いんですか?
ありがとうございます」
『飲みもん、1つ買うたぐらいで
そない感謝されるんかいな。
なら、まぁ…750円も安いわ。
姉さん、それと、…ポップコーンと
それから、ビール頼むわ』
しばらく待って居ると、
頼んで貰った商品を手渡される。
ふわふわヒカルのベリーソーダ
写真があまりにも可愛かったんだけど
手元に届いた実物も可愛い。
「凄い…可愛いっ…」
『そんなん、アザラシ乗った
ソーダかなんかやろ?』
言われてしまえばそれまでなんだけど。
ブルーハワイがベースなんだけど、
そこにカシスが加えてあるから
甘いだけじゃなくて程よい
酸味があって飲みやすい味になっている。
ソーダの上に生クリームが
乗っていてその上に綺麗な
ブルーのクラッシュゼリー
周囲にはエディブルフラワーの
花びらが鮮やかな赤の
差し色になっている。
そして…その中央に…
ちょこんと乗せられている、
アザラシの形をした
マシュマロが…じぃ~っと
つぶらな瞳でこちらを見つめていて。
『それ…そのアザラシの
マシュマロだけでええんやない?』
「こっ、ここに乗ってるから
良いんですってばっ、可愛いんですッ」
こっちがそのアザラシのマシュマロを
席に座ってからもずっと見ていたので、
呆れ気味にそう言われてしまった。