第2章 失われた日常
実際何度かニノの実家の話しをした時には、本当に嫌そうな顔をしてたから
俺はその事に付いて突っ込んで話しを聞いたりはしなかった
(…せめて、場所だけでも聞いておけば良かったかな?)
俄かに後悔をし始めぼんやりしていた俺は、おーのくんの声で我に帰った
『そうなんだ…あ、僕は知ってるよ?』
「本当?!あ〜、良かったぁ」
『…今から、行ってみる?行くなら案内するけど』
「うん…でも、良いの?疲れて無い?」
『平気だよそのくらい!僕も心配だから』
「ありがとう、おーのくん」
(良かった…流石、親友だね!)
一まず胸を撫で下ろしていると、おーのくんが遠慮がちに言った
『…あのさ…翔くんも、一緒で良い?』
「勿論!その方が心強いし」
『うふふ、ありがとう(笑)』
俺はもう一回おーのくんにお礼を言って、電話を切った
「…ニノ、待ってて……今、迎えに行くからね」
それから急いで身支度を済ませて、約束した待ち合わせ場所に向かった
その時俺は、迎えに乗り込んでやれば、ニノを奪還出来ると思っていたんだけど
やっぱり、そんなに簡単には行かなかった
ニノの実家は、想像を遙かに超えた「名門の一族」で、ソコは本当にあの執事さんが言った通り
…別世界だった