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お散歩日和―にのあい―

第3章 二宮財閥





「…ゴメン、相葉ちゃん…」

「おーのくんが謝ることなんかこれっぽっちも無いよ?」

「でも…」

「…なんか、感じ悪いな」



櫻井くんがおーのくんの肩を抱き寄せながら言った



「そうだね…」



(おーのくんが来たこと“だけ”…か)



「……ニノ」



デッカイ黒塗りの大袈裟な門が、鉄格子に見えた



「…あのさ、相葉ちゃん…ちょっと、一回帰って貰える?」

「え?」



おーのくんが探る様に俺を見た



「あっちから監視カメラで見てるから、きっと中に入れて貰えなかったんじゃないかな?」

「…つまり、俺が居たからってコト?」

「うん…だって今さっき別れてくれって手切れ金持って来た人が相手だもの…

…入れて貰えなくて当然かも」

「…そうだね、おーのくんの言う通りかもしれない」



俺は両手の拳をぎゅっと握りしめた



「じゃあ、俺……帰るね」

「…ゴメン」



俺は申し訳なさそうに謝るおーのくんに出来るだけ明るく笑って言った



「おーのくんが謝るコト無いってば!

じゃあ、もし逢えたら宜しく伝えといて!」

「うん」



俺は大袈裟に手を振って駅に向かって歩き出して、立ち止まった



「あ、宜しくって言うか…」



俺は振り向くと、おーのくんに言った



「愛してる、必ず迎えに行くから…って伝えて」

「…うん、解った」

「あのぉ…お取り込み中大変恐縮なんですが…」



櫻井くんが物凄く遠慮がちに言った



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