第14章 それぞれの願い
☆茂庭side
表彰式が終わりバスで学校へ移動していた。俺たちも一緒に。バスの隣の席はお願いして二口に座ってもらった。
みんな優勝して興奮しっぱなしで、バス内はあのプレイが凄かったとか、よくあの場面拾えたなとかそんな会話で溢れていた。疲れてるはずなのに寝てる人は一人もいない。
「二口お疲れ」
二「お疲れ様です!」
「インハイおめでとう」
二「ありがとうございます。」
「俺たちの願いも叶えてくれてありがとう」
二「俺、烏野との試合の終盤で勝ち負けどうでもいいなって思いました。この時間が続いてもっと試合出来たらって思った。あの瞬間、先輩達の事考えれてませんでした。」
「…そっか。でも、それで良かった。変にプレッシャーを与えたんじゃないかって、お前をキャプテンに推薦した日から思ってた。だから二口が楽しめて試合出来たなら、すげー嬉しい」
二「プレッシャー感じた時もありました。春高予選の時とか。でも、凛が助けてくれたし、それからはプレッシャー感じることも無かったです。青根も居てくれたから。」
「良かった。それと、ありがとな。インハイの事と凛の事。大事にしてくれてありがとう」
二「お礼を言うなら俺の方っすね。先輩にはいつも助けられてますから。それに凛にも。」
「なんか二口性格が柔らかくなったな」
二「嫌ですね、元からですよ笑」
「そーか?笑」
話しているうちにバスが学校に着いた。バスを降りると休日なのに学生が集まっていた。今日の試合を教室のテレビで皆が見ていたそうだ。皆からは祝福の嵐
「おめでとう!!」
「かっこよかったよ」
そんな言葉が飛び交う中一際目立った祝福は
「マネの凛ちゃんと二口、末永くお幸せにな!!」
二口も凛も驚いてた。ついでに俺も。
後から聞いた話だと、テレビで二口が凛にありがとなって言った場面が放送されてたらしい。2人が付き合ってることはもちろん、二口の柔らかい表情に驚いた人が沢山いたらしい。ニュースキャスターのお姉さんも青春だねとか、初々しいカップルだって言ってたらしい
しばらく2人は時の人として、宮城の有名カップルになった
俺からしたら面白い話だけど、2人は複雑な表情を浮かべてた