Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第2章 語られた過去
和「翔兄さん…『櫻井』に戻ったという事は、探すつもりじゃ…」
翔「今言っただろ。本当の両親を探そうとは思ってないって…」
和「ご両親じゃありません。その女性です」
翔「…え?」
あの時の女性…?
翔「…そんなんじゃないよ…俺が籍を外したのは潤に…」
…あっ…
和「潤くんに…何です?」
こいつ…嵌めやがったな…
俺はため息をついて
翔「…偶然聞いたんだ…両親が俺にも財産を譲りたいって言ってるのを…でも、ここまで育ててくれたのに、財産まで貰えないと思って除籍したんだ…」
和「…じゃあ…本当にあの時の女性を探す気はないんですね」
翔「・・・」
あの人を探す…
見つける事が出来れば、俺の両親の事も解るかもしれない…
けど…
すると俺の手を和也がそっと触れてきて
和「…すみません…嫌な記憶を思い出させて…大丈夫です…翔兄さんには雅紀兄さんや私達がいます…翔兄さんは1人じゃないんです」
1人じゃない…俺は皆と…
俺は声を殺して泣いていた…