Another sky 〜それぞれの空の下〜【気象系】
第5章 再会(3)
舞「お兄ちゃん…腕時計型の爆弾って…もしかしてそれで…」
翔「…うん…」
潤「…何かあったの?」
舞「お兄ちゃん…腕時計が着けられないんです…以前お父さんが買ってきて着けようとした途端、突然怯えだして…」
翔「その後意識を無くしたみたいで、気がついたらベッドで寝てたんだ…」
何かあったのかと思ってたけど、そんな事情があったなんて…
でも…
翔「これではっきりした…ここの人達が言ってる事は事実なんだと…俺はここで皆の兄弟として一緒に生活してたんだって…」
雅「翔ちゃん…」
けど、話を聞く前から何となく思ってた…
ここが俺の場所…俺がずっと帰りたかった場所なんだと…
翔「あの…っ…えっ?」
俺の気持ちを伝えたいと思い、声を掛けようとした途端、突然舞が俺の車イスを反転させた
舞「お兄ちゃん帰ろう。お父さん達が心配するわ」
翔「ち…ちょっと待って舞…っ!」
でも、舞は俺の言う事を無視して店から出ようとした
雅「翔ちゃん!」
だめだっ!このまま何も言わずになんて帰れないっ!
俺は咄嗟に出入り口を手で掴み車イスを止めて、後ろを向いた
翔「きっと…きっと帰って来るからっ!」
そして、そのまま喫茶店を後にした…
必ず…ここに…
待ってて皆…雅紀…