第5章 再会（３）

舞「でも、その犯人も律儀ねー。ちゃんと依頼料を支払いに来るなんて」

和「そうでもありませんよ。聞いた話では逮捕時、現金は所持してなかったらしいので」

翔「…つまり現れたのは、口封じ…って事か…」

潤「うん…そうだろうって聞いてる」

そんなヤバい取引をする奴なんだ…顔を見られた俺等を生かしてはおかないだろ…

翔「つまり、逆恨みっていうのは、その犯人が…」

和「ええ…最初に智兄さんを依頼と偽って廃工場に呼び寄せて、銃で腹部を撃たれました。幸い命に別状はなかったんですが、次に翔兄さんが狙われました」

翔「もしかして、それが海の事故…？」

和「事故というか…翔兄さんを拉致した犯人はフェリーに乗り、翔兄さんに腕時計型の爆弾を着けました。それを解除するには、１時間以内に鍵を見つけて、その腕時計を外す事…」

翔「…えっ…」

和「なんとか鍵は見つけたんですが、それはフェリーに備えられた救命ボートに付けられていて、翔兄さんは私達を巻き込まない為に、ボートに乗って海に…そしてその爆弾が爆発して、以降翔兄さんは行方不明になりました」

腕時計…それで…