第7章 初日
それからはこの真っ白い部屋でただボーッとしていた。カゴの中にマグマ池があったけど、ただそれだけだった。飯はもらっていたけど、他に変わったことはなんにもなかった。
そんなある日、見たことない人間の顔がオラのいる部屋に入って来た。よく見たら若い女の人だった。飼い主よりうんと若い女の子って感じのね。
その子がオラの目の前で手を出すからその上に乗ってやったらカゴの外に連れ出された。何かされるのかなぁと思っていたけどそのまま床に下ろされたから、オラは部屋中を見て回った。
その間そこにいる女の子はオラの動きを見るばかりで何もしてこなかった。それどころか時々話しかけてきて、なんか懐かしい感じがしたんだよなぁ。
「上手に歩けるのね」
オラは無性に、自分の前の飼い主さんのところに帰りたくなった。