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こちら、MOB飼育係[kz&ss]

第16章 サツキ目線


 私は頭がクラクラする思いをなんとか抑えながら生き残ったMOBたちの写真を撮り、どうか元の飼い主に届きますようにと会社に向かってすぐに記事に仕立てあげた。編集長からは半ば情けも入れてもらいながら大きな記事にしてもらい、私はみんなに称賛されたが、私の心はずっしりと重かった。
「……ただいま」
 そうして数日はたったある日の帰宅。私は、あの研究所から連れ帰った五人に挨拶をして世話の準備に取り掛かっていると、ピンポンと玄関から呼び鈴が鳴った。
 こんな時間に誰だろうとインターホンの画面を見ると知らないおばあさんが立っていて。ご近所さんではないはず。だけど妙に胸騒ぎがして、私は玄関の扉を開けてみることにした。
「こんな時間にごめんなさいね。途中で迷子になってしまって」とおばあさんは言う。「あなたがサツキさんね。うちの子たちからよく聞いたわ」
「え……」
 見るとおばあさんの手には一つの飼育カゴ。その中には四匹の手乗りスニッファーと手乗りパンダ、そして、手乗りストライダーがいて私は全てを悟った。
「この子のこと、ご存知ない? カズって言うのだけれども」
 私の心の中が、一気に晴れた気がした。

 おしまい
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