第2章 狂夜に憂う月
何度も絶頂に追いやられ、もう力の入らない両腕を、何とか動かして薬売りの首にしがみついて耐える。
不意に、薬売りはの身体を、骨が軋みそうな程に抱き潰した。
あまりの苦しさにの蜜壁は、薬売り自身をきつく締め上げる。
堪え難い快楽に、薬売りはの最奥に白濁の欲望を全て、余す事無くぶち撒けた。
互いに酷く呼吸は乱れ、とりわけはもう完全に力が抜け切っていたが、薬売りはその胸に顔をうずめて離さない。
その時、の胸に何か熱いものが流れていくのを感じた。
「、済まない…どうしても、俺はお前を失いたくない…!」
「大丈夫。私はずっと、薬売りさんと一緒…!」
は薬売りがいつにも増して愛おしく想えて、優しく頭を撫でた。
「私は生きて、ここにいるよ…だから、安心してお休み…」
程無くして、身体を離すと薬売りはすぐに静かな寝息を立て始めた。
もそれに大きな安堵感を覚えて、簡単に身を清めると、ようやく眠りに就いた。
「あのー…いつまでこうやってる気?もう昼が来るよ!?」
ただでさえ遅い目覚めだった上に、すっかり日が高くなってからも、薬売りはを布団の中で抱き締めたままでいた。
「いつまでだって、良いじゃあ…ありませんか。」
「良くないわ!いい加減、私から離れて仕事したら!?」
「夜とは打って変わって、随分と冷たい事を…」
「なっ…!あああっ!?」
「それなら、離れなくして、やりましょう…」
指先での花芯を擦ると、とろりと熱い蜜が溢れた。
ゆっくりと指を沈めてやれば、蜜壁ごと絡みついて来る。
「あっ…あぁんっ…!」
薬売りの、穏やかで慈愛に満ちた愛撫に、は甘い声を漏らす。
「の此処、とても熱いですよ…」
「嫌ぁっ…」
「良いのですか?このまま放っておいて?」
「良くない…続けてっ…!」
完全にをその気にさせる事に成功した薬売りは、勝ち誇った笑みを浮かべる。
もまた、湧き上がる悦びと安心感に浸りながら、薬売りに身を委ねたのだった。