第2章 プロローグ
この度、菅原は烏野高校一年生になりました。
「おーい、そろそろ行かないと遅刻すんべ!」
一階から聞こえるお兄ちゃんの声を聞いて急いで忘れ物はないかや服装が乱れてないかな?とチェックする。
「今行くね!」
階段をかけ降りるとお兄ちゃんが待っていてくれた。
「お!制服似合ってんね!…ていうか、スカート短くない!?もっと長くてもさー「大丈夫!お兄ちゃんは心配症過ぎだって。しかも、そんなに短くないし規定の長さだよ?」
マシンガントークで語ってくるが、そこはもう慣れっこである。
これが菅原家の日常です。
賑やかだよね!
家を出て、高校へ向かって一緒に歩く。
「私、友だち出来るか不安になってきた…」
「なら大丈夫!心配しすぎんな。…でも無理は駄目だかんな!いざとなったら俺が教室行くから!」
頭をポンっと撫でられた。
この安心感が好き。
今だったら頑張れる!って思うもん。
「ありがとう!でも、教室に来たら恥ずかしいからやめてね笑」
ぷくっと少し膨れながら言うも、効果は無かったみたい。
ま、いっか!
そんなこんなで、無事に高校に到着した私達。
途中でお兄ちゃんと別れて、クラス表を見て確認した。
えっと…どこ??
目の前の人達が多すぎてというのもあるけど、名前を全く探せない。
背伸びしてみるも意味もなく、人が少なくなるまで待とうかと背伸びをやめてかかとを地面に着けた瞬間、ふっと横を向くと金色の髪の眼鏡をかけた男の子と目があった。
「…もし、良かったらクラス探すけど。」
ぼそっと言われた声に一瞬戸惑うものの、ここは素直にお願いすることにした。
「ありがとう、ございます。菅原です。お願いします!」
名前を告げるとクラス表をちらっと見ながら確認してくれた。
「菅原さんね…あ、僕と同じだ。1年4組だって。」
「4組…ありがとうございます!えっと、名前!聞いても良いですか?」
「…月島蛍。あと、同い年なんだし敬語いらないから。」
「わかりました、あ…わかった!ありがとう、月島くん。」
「ん、よろしく。」
見つめられる視線にドキドキしつつ、無事に月島くんと挨拶を交わし、一緒にクラスまで行くことができた。
私の初のお友だちゲットかも!?